心理士には、高い感受性が必要になります。

これを持っていることが、素養ともいえます。

心理士は、クライエント様が日本語で話した言葉だけを聴いているのではないのです。

クライエント様の、言葉にならない、言葉にできないものから、
何をつかみ取れるのか?が大切なのです。

沈黙や、言葉にはしていないけれど態度に出ていること、
言葉は丁寧だけれどその言い方、クライエント様から放たれるその空気感、
いらだち、焦り、怒り、困惑、動揺、不安、
そういったものを、いかに掴み取るか、ということが、
「本当に聴く」の世界なのです。

それを可能にするのが、感受性であり、心のひだです。

カウンセラーをやっている人の中に、
カウンセラーになりたいと言う人の中に、
この感受性が欠けている方がなんと多いことか。

こういったことは普通人に向かって言わないであろうことを、
平気な顔で、平気で言う人がいます。
そういったことは、常識がないとか、空気が読めないとか、
そういうこともありますが、
私は、感受性の問題だと思います。

「こういうことを言ったら、非常識かな?」「失礼かな?」
「相手はどう思うかな」ということを考えることができないのは、
感受性に欠け、心のひだがない、ということになるかと思うのです。

以前私の元に「精神疾患を克服したので、カウンセラーをやりたいんですが」
といって面談に来た男性がいました。

この方は、その後すぐに私に言いました。

「あのぉ〜〜、こちらは飲み物も出さないんすか?」(苛立ち口調)

私は「えぇ・・・飲み物はお出ししていないんです・・・」と答え、
でもご要望の様子だったので
「宜しければ、お支度しましょうか?」と言って、飲み物を選んで頂いたのです。

その男性は、自分で選んだオレンジジュースを出されるやいなや、
3秒で「一気飲み」をしました。

そして、私に言ったこと。

「あのーー、おかわり、ないんですか?」・・・

立て続けに言ったこと。
「このあたりは、コンビニひとつないんすね、不便でしょーがないっすよ」と・・・

※終始ふんぞり返ってそれを言う。


私は頭の中で、仏壇の鐘が鳴りました。

チーーーン。。。。

この方に、カウンセラーになる素養が全くないことは、すぐおわかりになるかと思います。

まず、初めて来る場所、初めて会う人に対して、
自分の要求ばかり押し通す時点で、大人として終わっています。

そして、「こういうことを言ったら、この人はどう思うかな?」ということを
全く考えることができない→適切な発言ができない、ということは、
カウンセラーとして、どころか、社会人として通用するか?も危うい。

私はこの男性の精神疾患が完治していると思えなかったこともあり、
(この感受性の欠陥は、陰性症状が残っている可能性が高いと判断した)

「仕事としては、あなたの場合は、お勧めできません」
「何かボランティア的なことをお手伝いされてみてはいかがですか?」ということを
終始笑顔でめちゃくちゃ丁寧に言葉を選んでお伝えしました。


感受性は、高すぎても大変疲れるものなのですが、
それでも心理士は、高すぎるほどの感受性が必要な職業です。

なんというか、のそぉ〜〜っと鈍い感じの人には、務まりません。

アタマの回転が速く、勘が鋭く、心のひだがあると、最強です。


感受性が低い方は、ドラマや映画を見て、感受性を磨く努力をして頂きたいです。
俳優さんのセリフにない、表情や態度から、どんなことをつかめるのか、
そして普段の人間関係で、うんと、うんと鍛錬すべきだと思います。

元からの性格的に感受性が高い方は、非常にラッキーだと思います。
どうか常に、その備わった感受性に磨きをかけておいて頂きたいと思います。


人の話を聴くことなんて、簡単だ、と思っていらっしゃる方が多く、
カウンセラーになんて簡単になれると思っていらっしゃる方が多く、
私は絶句し、落胆することが多いです。

人の話を聴くことが簡単だなんて、とんでもないことです。

思い違いもいいところです。

そして、あなたを本当の意味でカウンセラーにしてくださるのは、
クライエント様なのだ、ということを知るべきです。

 

Comment
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2014/03/06 00:04