健康保険の利く病院でのカウンセリングと比較して、
保険の利かない開業心理士の技術料は、非常に高額です。
面談1回につき5000円〜1万円以上掛かるのが通常である。

しかし、その半分は経費に充てられることを想定しているため、
心理士の利益は微々たるものとなる。

けれども開業心理士は、
この5000円、この1万円があったら、
もし彼らがカウンセリングにお越しにならずに済み、
頂いた料金が彼らの手元にあったとしたら、
このクライエント様はこのお金で、一体何ができたろうか?
ということを考え、想像し、

1回でもカウンセリングに来る回数が少なくなるよう、
尽力するべきです。

決して、あれこれ理由を付けて「通わせよう」
「通って頂けるように誘導しよう」という魂胆を持たないことが、
開業心理士の姿勢として、在り方として、とても大事なことなのです。

心理士として、見立てはございます。

よって、通って頂いた方が良いケースも、たくさんございます。

そのようなときは、「ご提案」「お勧め」としての範囲で、
率直に、わかりやすく、心理士の考えをお伝えすれば良いだけです。

そして、必要な方に、必要なだけの、
次回のご来談意欲・ご来談動機を湧かせるような、
そのようなカウンセリングをすれば良いのです。

「今日のお話からこのようなことを感じ取れたので、
もしよろしければ、次回このようなことをお話したいと私は感じたのですが、
○○さんはどのようにお感じになりますか?今日お話してみていかがでしたか?」
と問いかけてみれば良いのです。

水面下での誘導など、必要ございません。

もし明確に何かを直したい・治したいというニーズでしたら、
今後の流れについてわかりやすくご説明した上で、決して強制することなく、
「そうかぁ・・・じゃぁ次回も来てみようかな・・・」と考えてみて頂く、
そんな「きっかけ」を与えて差し上げる、という所存であるべきだと私は考えています。

また、性格や症状から、決断ができづらい方もたくさんおられます。
次回の予約を取ったら→通うと勘違いされるのではないか?と警戒する方もおられます。

この場合は、「”通う”とか、今ここで決めなくても、全然大丈夫なんですよ!」
「居酒屋じゃないけど、とりあえずビール、じゃないけど、
とりあえず次回のご予約だけするのも、全くおかしいことではないんです」
というようにご説明しますと、「あ、通うとか決めなくてもいいんだー」とお感じ頂けて、
とても安心されたご様子で「それなら予約していく」という方もたくさんおられます。

また、わざわざ通うように誘導しなくても、説得や営業なぞしなくても、
ニーズに的確に応えている心理士は、自然と「あと1回来てもいいですか?」
「ちょっと通いたいんですけど」「困ったらまた来てもいいでしょうか・・・」と
言われるようになります。

クライエント様に通わせようとする心理士は、
腕も足りませんし、感受性も足りませんし、想像力も足りませんし、
クライエント様が生活費にしか映らないのは「人間として未熟」だと思いますし、
カウンセリングという商売を勘違いしていると思います。

カウンセリングでお金儲けしようなぞ、言語道断です。
開業心理士は、人の倍以上働いて、サラリーマンの半分以下の収入であることを
よくよく、わかっているべきです。
よって、生活費をまかなえるだけの利益を出すことは、
経営という名の行動をコツコツ続けた一握りの心理士しか達成できないことを
よくよく、わかっているべきです。

心理士は、医師や弁護士同様に、
「出番がないに越したことはない」因果な商売です。

皆が、心身共に健康で、周囲に話を聞いてもらえ、問題を解決でき、
ストレスがあふれこぼれない程度のベストな状態で生活できていれば、
カウンセリングルームなぞ不要で生きていられたはずです。

それでも、やはり人間は常にベストな状態で生きられないからこそ、
困ったときに専門家を訪ねたいからこそ、カウンセリングの需要はあるのです。

が、カウンセリングは、決して安くはないのです。

よって、1回でも少なく済むよう全力で取り組もう、
このお金で少しでも早くクライエント様の好きなことができるように回復へ導こう、
そのためにうんと話を聴こう、わかろうという所存でいなければなりません。

弱っているクライエント様を誘導し、長く通わせようとする心理士は、
長く通って頂いても成果が出ていない・直す・治すこともできていないことが多い。

是非、特に開業心理士になるならば、クライエント様から自然と信頼されるような、
次も来てみたいと自然と思って頂けるような技術と、ニーズに応える技術、
そして、クライエント様のお金を大切なものと考えることができる、
相手の立場に立ってものを考えることができる人間性を
備えていて頂きたいと思います。

 

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