クライエント様は、心理士に、一体、何を求め、

カウンセリングルームに、何をしに来るのか。

心理士がどんなに硬い職業であろうとも、商売である以上は、
このことも、きちんとわかっていなければなりません。

はっきり申し上げます。

クライエント様は、カウンセリングルームに、
カウンセリングを受けに来るのではありません。

同時に、心理療法・精神療法を受けに来るのでもありません。

セラピーや、リラクゼーションを求めて来るわけでもありません。


ただ、話がしたくて。

話を本当に聴いてもらいたくて。

自分を強く、深く、わかってもらいたくて。

自分で自分をわかりたくて。

何かを吐き出したくて。

何かに整理を付けたくて。

不安や疲れが強くて。

頼りにできる人を探して、少し寄り掛かりたくて。

問題やお困り事を解決したくて。

それで、カウンセリングに来ているのです。

ですから、最初の1秒目から心理療法を駆使されているとは思いもしない。

カウンセリングや心理士へのニーズは、
上記以外にも、いくらでもございます。

しかし、ご本人すら、そのニーズに気付いておられないことも多い。

けれども、開業心理士には、
明確に語られることのない、クライエント様の本当のニーズをつかみ、
それに応えることが、求められているのです。

このあたりは、マニュアルに則って行動する行政の無料相談の担当者や、
医師の指示の元で精神療法を使う病院勤めの長い臨床心理士は、
非常に疎いところなのではないでしょうか。

けれども、開業心理士の世界では、
マニュアルも、主治医からの方針の指示も、存在しない。

「ただ、わかってもらいたい」方に対し、直そう・治そうとするのは、
心理士の身勝手であるし、

「ただ、話し相手がほしかった」方に対し、あれこれアドバイスするのも、
ニーズを汲み取れていないことに他ならない。

「どうしたらいいですか?」と必死に質問してくる方に、
答えるのか、応えるのか、それが果たして賢明なのか考えるのも、
クライエント様のニーズやニュアンスをつかみ取れていなければ、
お役に立てるような応答ができなくなる。

精神療法を駆使していることは、
実は、クライエント様には、あまり関係のないことなのです。

どのようなお店であろうと、お客様にとっての最重要事項は、
自分のニーズが満たされるか?なのです。

逆に考えれば、カウンセリングにおいて、
心理士がどのような精神療法を使ってどのように働くのかは、
クライエント様にわざわざお知らせすることでもない。

感じて頂くべきは、
この心理士は自分にとって役に立つか?ニーズが満たされるか?
ということなのである。

1回ごとに、
何がしかご満足頂けるか?
何か次回につながるような足がかりが見つかったか?
相性は悪くなかったか?
ホッとできたか?
楽になれたか?
話しやすかったか?
直りそうな気がしたか?
来て良かった、と思えたか?
などのことをお感じ頂けるかどうか?が大事なのである。


バディ
アウェアネス
カタルシス

こういった感覚をお感じになって頂けて、
クライエント様のニーズにお応えしていかなければ、
カウンセリングルームも心理士も、結局は箱と肩書きだけと化すのです。

「カウンセリングとは何か?」ということについて、
心理士側が、利用目的を定義・明言することではない。

カウンセリングの用途や内容についても、
心理士側が「こういうものだ」という押し付けをするのは、
クライエント様にとっては、大変迷惑で、邪魔な概念になる。

カウンセリングは、サービス業です。
どのようなことを求めてお見えになるのか?は、
心理士が、おひとりおひとりのクライエント様のお話や、言葉にならない空気感から、
気付き、掴み取っていくべきなのです。

それが、開業心理士の、責務なのです。

 

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