技術についての訓練について、かなり記述して参りましたが、
どうしても、大勢が集まる研修では、
講義と実技が両方入ってくるため、
長い時間の傾聴訓練やグループワークはなかなかできず、
「10分〜20分程度で1つの役割」が限度でしょう。

よって、自主的な勉強会を開いておられる方々は、
慣れてきましたら、30分・45分と、少しずつ時間を延ばしてみて、
その後、役割を交代してみるのもひとつの練習法なのかもしれません。

けれども、そのうち傾聴訓練に「わざとらしさ」を感じてくることがあります。
そんなとき、本当に訓練できるのは、普段の人間関係です。

普段の人間関係で、その方と会うことに慣れていても、
「本気で話を聴く」となりますと、大変骨が折れます。

でも、やれることが、たくさんあるのです。

・相槌の種類を劇的に増やす
・相槌のタイミングを劇的にうまくする
・軽い相槌ではなく、本気で相槌する
・相手の愚痴を本気で聴いて便器になる(その大変さを体験・理解する)
・こういうときどうしたら?ときかれたら、答えてみる・応えてみる
・一緒になって悩んでみたり、困ってみたり、怒ってみたりする
・少し質問する(相手がもっと言いたいこと・無意識だったことなどを引き出す)
・相手の話に興味を持ち続けることの苦痛を体感・理解する
・集中を維持することの困難さを自覚する
・登場人物を記憶する
・ゆがんだ認知はないか確認する
・果たして自分に一般論ではない有益で適切なアドバイスが思い浮かんだか?
・これがもしクライエント様だったら、見立ては?使う療法は?
・相手の性格をつかむ
・相手のニーズをつかむ
(ただ聴いてもらいたいのか、アドバイスが必要なのか・
 わかってほしいのか、許してほしいのか、同意が欲しいのか・
 背中を押して欲しいのか・など)


・・・なんでも練習できますね。

私も、普段のカウンセリングに加え、
これを、家族や友人と話すときに、
こういうことを練習している、ということです。

また、お友達の職場の話や、ご親族の話、恋愛や結婚の話を聴いていると、
その方の性格が色濃く現れており、
「この方の性格から他人を見ると、こう映るんだなー」
「この人がAさんに望んでいるのは、こういうことなのだろうなー」と、
言葉にならないものをつかんでいくことができ、
どこらへんに、どう反応・応答してあげたら
この方が「スッキリした!」というお気持ちになれるか?と考え、
すごく練習になるのです。

友達が相手ですと、結果2〜3時間も話をしていたりすることも多く、
友達との食事を利用して勉強した後は、
カウンセリング後と同様、頭痛がひどいです。

こうして、研修と合わせ、身近でも、練習は、たくさんできます。

そして、自己不一致を体験しまくり、
そこを自己一致していって成長していくのです。

このような研鑽を積んでいくと、少しずつ技術は身についてきます。
心理士の在り方が、体験として、身についてきます。

高い応答技術を持っていれば、必ずカウンセラー側に
「余裕」と「落ち着き」と「安定感」が生まれてくるはずです。

それは、「人間としての柔らかさ」につながってくるはずです。

たとえ金森のような”ヤクザ顔”でも、
余裕と落ち着きと安定感+ふわっとにこにこしていれば、
初回クライエント様にお会いするときから、柔らかさは出せるはずなのです。

これこそが、「暖かな関心」と「無条件の肯定」と相まったとき
自然で大きなノンバーバルな空気感が生み出され、
「ここ、なんか大丈夫そう」と思わせる場が作り出されていき、
それがクライエント様を包んでいくのです。

初回お迎えするとき、クライエント様は、
どんなところで、どんなカウンセラーなのだろうか?とご不安なのです。

ですから、こちらが硬い顔をしてお会いするようではいけません。
にこにこは、ふわっと、ほんのり、です。
ニコニコ〜!とは違う。これは場違いなのです。
そして暖かな受容・関心・肯定は、お迎えした時点から!必要なのです。

心理士としての適切な素養・知識・技術・倫理・表情・態度・挨拶・見た目、
このすべてが揃っていなければなりません。

ここまでの、安全な場と空気感まで提供できてこそ、
クライエント様は、カウンセラーに対し、
少しずつ安心して、少しずつ心をゆだねていくことができるのです。

自分の心持ちが危機感を基礎として、余裕・落ち着き・安定感にまで至り、
こういった安全な場を作り出せるようになれるまで鍛錬してください。

そして、現場にいるカウンセラーになってからも、
研修・研鑽・学習は、一生続いてゆくのです。

 

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